沖縄の豚食文化Food Culture
琉球王朝時代から受け継がれる
沖縄の豚料理
食の知恵が詰まった沖縄伝統の豚料理のバリエーションは多彩である。
様々な調理法を駆使し、通常捨ててしまう部位でさえ滋養性、薬効を宿した料理に変えてしまいます。特に、豚足にはコラーゲンがたっぷり含まれており、老化とともに失っていく骨と骨をつなぐ大事な栄養素を補ってくれます。
医食同源、「クスイムン(薬になるもの)」という琉球料理の考え方が根底にある沖縄の食文化において、豚肉は長寿県沖縄の原点ともいえる食材なのです。
そんな、琉球王朝時代より伝わる豚料理の一部をご紹介します。
宮廷料理で代表的な豚料理
-
【ラフテー】
砂糖、醤油、泡盛で甘辛く味付ける豚三枚肉の角煮。
時間をかけて丁寧に油抜きをして調理されるので、コラーゲン豊富な美容食として人気。【ミヌダル】
薄切りにした豚ロースを黒コマペーストで覆い蒸してつくります。
肉の余分な脂が落ち、栄養価の高い黒ゴマもたっぷりな健康と美容に良い一品。【豚飯(トンファン)】
かつおだしで炊いた炊き込みご飯に、豚とかつおの合わせだしをたっぷりかけてお茶漬け風でいただく。
庶民料理で代表的な豚料理
-
【スーチカー】
冷蔵庫の無い時代に保存食として作られた沖縄の伝統料理。豚肉を塩漬けにしますが辛みはなく、ごはんのお供やお酒の肴として喜ばれる。
【アシティビチ】
豚足を骨ごとやわらかくなるまで煮込み、臭みは一切なくクリーミーでほのかな甘い味わいと、ぷるぷるコラーゲンの美肌効果もあり女性に人気。
【ミミガーさしみ】
熱湯で湯洗いして脂気を抜いた豚の耳の皮を千切ぎりにし、きゅうり、もやしと一緒にピーナツ酢みそで和えた、酒客に喜ばれている琉球料理の珍味。
食の知恵が詰まった豚料理
-
【チムシンジ】
豚レバーに味噌を揉み込み臭みをとり、豚肉、黄人参、ゴボウ、椎茸などと一緒に煮こんだ煎じ汁。風邪など体調を崩した時に食される沖縄の代表的な滋養食。
【チーイリチー】
豚肉、内臓、血液を炒め煮にした沖縄の伝統料理。滋養強壮効果もあり、特に貧血になりやすい女性には増血作用が期待できておススメです。
【ソーキ汁】
水でじっくり煮込んだソーキ(豚のあばら肉)を醤油や泡盛、黒糖で甘辛く仕上げる。長時間煮込むことで余分な脂が落ち、コラーゲン豊富な軟骨まで食べられ美容にも効果的。
伝統行事を彩る汁物料理
-
【イナムドゥチ】
琉球王朝時代の宮廷料理「五段のお取持」の一品として祝事や正月につくられていた。
現代では、お盆や正月に一般家庭でもつくられることも多い沖縄の伝統的なお祝い料理の一つ。カツオ出汁と豚出汁で細い短冊切りにした豚の三枚肉、椎茸、カマボコ、こんにゃく、油揚げなどを入れて煮立て、白味噌を溶かして味を調えて仕上げます。
【中身汁】
慶事や正月などに縁起料理として振舞われる中身汁。
小麦粉や塩、酢などを使い下ごしらえに手間暇をかけ、臓物独特の臭みを消すことでお出汁のきいた上品な味わいになります。豚の胃、大腸、小腸を椎茸やこんにゃく、カマボコと一緒にカツオ出汁に煮込み、醤油と塩であっさりと仕上げ、すり下ろした生姜、小ネギを散らして出来上がりです。